やることがなくて木を彫ったはなし

彫刻刀を五年ぶりに握った

春休みも終わりが見えてきたある日。やらなければと思うことは数あれど、やりたいことがなんとなくない。

 

ゴロゴロとベッドで寝がえりを打っている時にふと天啓が降りてきた。

 

「そうだ。木を彫ろう。」

 

ホームセンターへ

そうと決まればさっそく木を買いに家をでた。自転車で五分ほど走り、ホームセンターへ。

 

ホームセンターは何度も来ているが、木を見るのは初めてのことだった。ホワイトウッドやら杉やら赤松やらいろんな木がおいてあるもんであった。

 

「わからん。全然わからん。」

 

木の種類を真剣に考えたことなんて生まれて初めてのことだった。そういう意味でもいい体験であった。

 

店内を見て回ると、室内用の木材と屋外用の木材があるようであった。差はよくわからないがなんとなく室内用の木材の方がきれいに見えたのでそちらで検討。

 

見た目で選んだのは栂。よみは”つが”らしい。彫刻に向いているかはわからないがそんなことは関係ない。僕は木を彫りたいのだ。

 

家に帰り、さっそく彫る……前にノコギリ

買ってきた栂(言いたいだけ)を彫ろうとした。しかし何を彫るのか。そこまで手先が器用なわけではなく、いきなり仏はハードルが高い。

 

「ここは男の子らしく、小刀でも彫ろう」

 

これはいい案に思えた。割と簡単そうだし、お守りとしてもなかなか悪くない。

 

そうして小刀の型を木に描き、それに合わせてノコギリで切っていく。ああ、ノコギリなんて持つのは何年ぶりだろうか。

 

ギコギコと切っていく。慣れないノコギリなのに小さい細工をしなければならず、とても難しい。抑える足が震える。

 

それにしても、疲れる。ノコギリは重労働であった。十分ほど格闘し細かい部分を切り落とす。

 

その後、確認してもう一度ノコギリと格闘すること十五分。休んでいるわけではないのに全然進まない。早く彫りたい。

 

やっとのことで四角に切り落としたが、小刀の形にするために斜めにも切り落とさないといけなかった。さらに格闘すること十分。やっとノコギリ終了。

 

彫刻刀は十年ぶりだろうか

小学生の時以来握っていなかった彫刻刀。いま、握ります。

 

久しぶりに握る彫刻刀はとても扱いにくかった。実は木を彫るには向きが大事になっていく。場所によって、彫刻刀の向きを変えないとささくれができて仕上がりがきれいにならない。こんなことも初めて知った。

 

また、彫りたいように彫ることはさらに難しい。削りすぎてしまったり、刃を立ててしまって傷つけてることもしばしば。

 

そうしてどうにか形を整えて一日目終了。ここまでで五時間。

 

次の仕上げ編に続く……

 

 

 

 

 

 

 

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